26日、ドナルド·トランプ米大統領の「前払い(upfront)」発言とラトニック米商務長官の「増額(slightly increasing)」発言が同時に伝えられ、韓米両国が接点を見出すのは難しいという悲観的な展望まで出ている。 国内の一部では、米国側の要求を受け入れれば、通貨危機に陥りかねないため、投資撤回という「最後のカード」まで考慮しなければならないという声も高まっている。
李在明(イ·ジェミョン)大統領は最近、時事週刊誌タイムとのインタビューで、「(米国の条件を)受け入れていたら弾劾されただろう」とし、「そのため、米国の交渉チームに合理的な代案を要求した」と明らかにした。 李大統領が要求した代案は、韓米間の通貨スワップだ。
今月中旬、米国を訪問した産業通商資源部のキム·ジョングァン長官が、ラトニック長官に無制限の通貨スワップを提案したことが分かった。 24日(現地時間)、国連総会に出席するため米ニューヨークを訪問した李大統領は、スコット·ベサント米財務長官と会談し、直接通貨スワップの必要性を強調した。 3500億ドルは韓国の外貨保有高の84%に当たる大きな金額だ。 09年から昨年までの15年間の累積対米貿易黒字を合わせた3499億ドルに匹敵する。 全額現金で投資しろという米国の要求を受け入れれば、一度にドルが米国に流出するため、韓国は通貨危機に陥りかねない。 日本は5500億ドル規模のファンドの大部分を現金で投資するという合意文に署名したが、準基軸通貨国であるうえに米国と無制限通貨スワップも結んでいる。 また、日本の外貨準備高は1兆2000億ドルに達する。 このような状況で米国は「前払い」と「増額」を同時に言及している。 トランプ大統領は3500億ドルという金額を正確に言及し「前払い」という表現まで使った。
西江(ソガン)大学国際大学院の許允(ホ·ユン)教授は、投資撤回の可能性と農産物開放の議題化カードを同時に提示する交渉代案を取り上げた。 これからは交渉の場を変えるべきだという意見だ。
ホ教授は「マスガ(MASGA)をはじめとする韓国の対米投資計画を撤回するという『倍数の陣』を敷きながらも米、牛肉など農畜産物市場開放議題まで開けておく必要がある」として「レッドライン(交渉不可領域)まで開けておかなければ交渉する空間ができないため」と助言した。
ある通商専門家は「3500億ドルがどのように出てきた数字なのか分からない」として「3500億ドル投資で15%関税を引き出したと言った7月30日の発表は消えてしまった」と批判した。
収益配分の問題も依然として解消されていない。 米国は元金回収前まで「5対5」、回収後には「米国9対韓国1」の収益配分を要求している。 日本と類似した方式だ。
しかし、韓国はこのような構造を受け入れることはできないという立場だ。 李大統領がベサント長官と会った席で「商業的合理性」を主張したのも同じ脈絡だ。 金は韓国が負担し、収益は米国がすべて持っていく一方的な配分構造を絶対に受け入れることはできないという意味だ。
一方、ラトニック長官が韓国に日本に接近するほど投資規模を増額しろと要求したというウォールストリートジャーナルの報道に対し、産業部関係者は「米国側から対米投資金額をさらに増やせという要求を受けたことはない」と否認した。
[ムン·ジウン記者/ ユ·ジュンホ記者/ ワシントン チェ·スンジン特派員]